14th Dec Atleti vs Bilbao 2-1
JapanTIME 2:15 14th Dec Atleti vs Bilbao 2-1 (Saúl45+2’,Griezmann67’)(Laporte27’) Liga15th
◆REVIEW◆
Liga Española 15-16 第15節、AtleticoはBilbaoとの同門対決。
アトレティコの布陣は先週のミッドウィークに行われたCLの先発メンバーと入れ替えがあったのはStefan Savic → José Giménezセンターバックのみ。
試合開始時のフォーメーションは4-4-2でSaúl Ñiguezはアンカーでの出場が予想されていましたが、右のサイドハーフ。Koke,Gabiのdoble pivote。前半の途中からGabiをアンカーに置いた4-3-3を敷きます。
キックオフと同時に球際の激しさやディフェンスの綻びを作らないような集中した試合をお互いに展開。
Atleticoの攻撃陣はサイドからの打開を伺いますがシュートエリアまで進むことが出来ないまま、徐々に主導権を握り始めたのはLos Leones。ボールを奪ってすぐにAdurizの動き出したスペースに放り込むスタイルでAtletiの守備陣を何度も苦しめます。
徐々にアトレティコ陣内に攻め込み、27分にコーナーキックを獲得。Laporteのゴールで均衡を破ります。ニアに蹴りこまれたボールをストーンに立っていたGriezmannが頭でかすめてしまい、ファーサイドにいたLaporteがごっつぁんごーるした形。これでAtletiは数試合ぶりの失点となりました。
失点直後から4-3-3へシステムを変更し、サイドバックとウイングを中心に相手ゴールに迫る。Viettoのヘディングシュートがオフサイドで幻のゴールになるなど不運もあり前半はビハインドで終わるかと思われたロスタイムのコーナーからSaúlがニアで合わせて同点。ESPNの記事によれば、彼のゴールの多くが同点弾によるものだとしている。たくさん点を取れるわけではないが大事な場面でチームを助けることが出来る選手というわけですね。Tiagoが抜けた穴を探しているAtletiですが、彼はTiagoとは異なる点でメリットを与えてくれるかもしれませんね。
後半に入るとAtleticoが相手陣内でボールを持つ場面が増えてきます。ここ最近、左サイドバックのFilipeのコンディションが良いようですね。復帰した開幕直後はプレーの安定感を欠いていましたが、Carrascoとの相性の仕上がりも見て取れます。ちょっとしたボールの持ち方で相手と駆け引きと味方とのパス交換でセンタリングやシュートまで持ち込める巧みさはRealMadridのマルセロと比べても引けをとらないように感じます。Chelseaから復帰は間違ってない選択だったようですね。ゴール前で上手くポジショニングしてセンタリングに上手く合わせられる、3シーズン(12-13)前のFalcaoの様な選手がチーム内で出てくると、Filipe,JuanfranのAtletiサイドバックの存在はより際立ってくるはず。
さて、試合の方ですが、Atletiは左サイドでのスローインから。途中出場のCorreaが素早い切り替えで相手のクリアを拒み、そのこぼれ球がマークより一歩早く動いていたGriezmannの元へ流れます。左足で放たれたシュートは一度ゴールから外れるようなカーブを描きながら鋭く落ち、サイドネットへ突き刺さりました。Iraizozはおそらくコースを読んではいましたが、惜しくも届かず…。67分、これで逆転ということになります。
残りの約25分で試合をクローズするのは今季のAtletiにとっては、たとえ相手が上位陣だとしても難しいことではありません。
途中出場していたF.Torresを相手の背後にさらに走らせ、ラインを簡単に上げさせません。一方でボールを奪われるとすぐにTorresを残して全員帰陣し、中盤の選手が上手くスペースを消しながら、ディフェンスラインではGiménez,Godínがボールを跳ね返し危なげなくタイムアップ。タイムアップ直前にはSimeone,Burgosがロスタイムを過ぎていることをアピールするお馴染みの一面も。
◆OverVIEW◆
これでAtletiはBarcaに勝ち点35で並ぶ2位。Simeoneは依然とひとつひとつの試合に準備するだけと、チームの理念を強調しているが、2シーズン振りの優勝は決して夢ではないでしょう。
前半の失点後はVicente Calderonに不穏な空気が流れていましたが、前半のうちに同点に追いつき、後半の攻撃の流れを活かし、エースがゴールを沈める…。周囲が想像している以上に今のチームには自信が漲っているのではないかと思います。ゴール後GriezmannとSimeoneの周りに歓喜の輪が出来た時はチームとしての絆を強く感じました。
今シーズンのAtletiは優勝を達成した当時のCostaのようなパワフルで得点力のあるFWはいませんが、チーム全体の一体感は一昨年前と比べても引けを取りません。得点源こそGriezmannに依存している感が否めませんが、安定した守備と大事な局面で決定的な仕事ができる選手がどのポジションにもいるという特徴は、対戦相手にとって脅威なはず。
どの選手も褒めてあげたいのですが、中でもリーグ最少失点を誇る守備に貢献度が高いJan Oblak、攻撃を牽引しているYannick Ferreira-Carrascoはここまで称賛に値する活躍。
Oblakは、スロヴェニアの22歳。デ・ヘア、クルトワの近年の輝かしい歴代GKの存在を払拭する活躍ぶり。昨シーズン、数試合しか見ていないので下手なことは言いたくありませんが、現在ベンチを温めているMoyaは、安定感はあるもののビッグセーブは少ない印象でした。Oblakはより身体能力に優れ、今シーズンもこれまで何度もチームを救っています。ただ、これもMoyaを始め、GK陣とのコンピィタティヴな関係があってこそだということは容易に想像がつきます。
Carrascoはシーズン序盤こそ、Simeoneサッカーに適応できず出場時間は限られていましたが、機会を逃さず得点などでアピールに成功。今ではCostaが当時発揮していた“ゴール方向への推進”の役割を担っています。ゴールへの欲も強く、その精度も上がっていけば、レギュラーポジションを確固たるものに出来るはず。O.Torres,Angel Correaも共に優れた特徴を持っていて、決定的な仕事が出来る選手ではありますが、Carrascoの台頭はもうしばらく留まることはなさそう。
報道ではCostaの復帰や、Tiagoの代役探しも囁かれていますが、今のチームに穴は無いと思う。むしろ完璧に近いサッカーをしていながら、まだまだ伸びていくだろう要素が個人レベル、チームレベルでも感じさせる…。そうSimeoneも感じているはず。
2シーズン振りのリーグ優勝とCLの上位進出を願いながら、Simeoneの著書、El efecto Simeone(シメオネ超効果)を再度読みたいと思います。そして今年のLigaあと2節を楽しみたいと思います。
@min¡Costa:)