アトレティコマドリード応援会(東京支部)

Ole Ole Ole Cholo Simeone!! Atlético中心に♪サッカー・英語・映画・ビジネスニュース・レビュー他… written by min¡Costa:) #anímotiago

競争が生み出すチーム力…アトレティコ、"不完全な"前半戦の覇者。

 

シメオネの5シーズン目

 

シーズンの半分を終え、暫定首位。

今年のアトレティコは何が良いのか???

 

まずはシメオネ就任から完璧なまでに蘇ったlos colchonelosをざっと振り返る。

 

2011-12 シメオネ元年。シーズン途中から監督に就き、低迷していたチームを再生。ELを制覇。

ファルカオを得点源としたサッカー。

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2012-13 二年目。UEFAスーパーカップとコパで優勝。

ファルカオジエゴコスタのツートップを基盤にしたサッカー。

クルトワ、アルダ、コケの台頭。

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2013-14 三年目。18年ぶりのリーガ制覇。チャンピオンズリーグも準優勝。

ジエゴコスタの覚醒と黒子役としてのビジャ開眼。

コケ・アルダ・ラウールガルシア・ガビ・チアゴメンデスを中心とした中盤。

ディフェンス陣は、ゴディン・ミランダ・フアンフラン・フィリペルイス・クルトワ。

FWを含めた全員の守備、絶対的なストライカーの存在、闘争心、試合への準備。

まさに"partido a partido"(試合から試合へ)を徹底。

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2014-15 四年目。2強に大きく離されるがしぶとく3位。苦しいシーズンだったが今シーズンへの意味合いは大きいはず。

ジエゴコスタ、フィリペルイス、ビジャ、クルトワを手放し、新たなメンバーで臨んだシーズン。

前線に、マンジュキッチ、グリーズマン、ラウールヒメネス、レオバチストン。

キーパーは、モヤ、オブラクを補強。

得点源と言えるのはグリーズマンとセットプレーの年。

シーズンの序盤しか試合は見れなかったが、メンバーの入れ替えによるチームの完成度の低さを露呈していることは明らかだった。

その中で、チョリスモを貫き、3位に食い込んだことは称賛に値する。セットプレーについては、本屋でブルゴスと共にシメオネが研究に研究を重ねたことも話題になった。セットプレーでの得点後、2人が抱き合うシーンも見られたのを覚えている。

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そして五年目の今年。2015-16。1試合消化が少ないバルサとあるが、暫定首位のRojiblancos。いよいよ優勝も目指すべきポジションにいることは間違いない。

得点源こそグリーズマンに偏っていることは昨シーズンと変わらないが、19試合で8失点。クリーンシートも10試合を超える。試合を観ても、本当の強さを持っている。

だが、13-14シーズンの比較すれば違いは明らか。ジエゴコスタを中心としたサッカーとはかけ離れている…。

ではなぜこんなにも強いのか???

 

チーム内の競争

シメオネが築き上げた、アトレティコの根本的な強さは、

MSN,BBCといった個人技と互角に渡り合う組織力である。と言い切れると思う。

その組織力を分解していくと、シメオネの求心力、スタッフと選手の絆、家族さながらの選手たち、チームの歴史、戦術の徹底、試合での団結力…と挙げられるが、

今回着目するのは競争力

シーズン前に多くの選手が加入した。さらに実績を持った選手が多く、近年のアトレティコで最も充実した戦力となると言われていて、シメオネの手腕が試されることとなった。

 

その充実した戦力の中で、コンディション・調子の良い選手を積極的に起用するスタイルを貫いている。

 

優勝シーズンの年はある程度メンバーを固定していた。クリスティアンロドリゲスやマリオスアレス、ラウールガルシアを交代で使うときは多かったものの、その交代の理由とは異なるもの…。

 

中盤は

ベテランのガビ、チアゴ(長期離脱中)

移籍の噂は絶えないチームで最も走るコケ

帰ってきたパスサッカーの申し子オリベルトーレス

ジエゴコスタ並みの推進力をもたらす新加入のヤニックフェレイラカラスコ

独特のリズムとディフェンスからインサイドハーフまでこなすサウールニゲス

前半戦のサプライズとなったトーマスパーティ

(さらにはアウグストフェルナンデス、マティアスクラネビッテルが加入)

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前線は

絶対的なエースであるグリーズマン。現在10ゴール…

徐々に当確を表しているビエット

大きな仕事をなんどか成し遂げているコレア

いまだ未知数ジャクソンマルティネス

(99ゴールを記録しているアイドル、フェルナンドトーレス)

 

これらの選手にわずかな隙さえ与えず競争を与えている。

そしてそれが短時間でも仕事をする選手達の活躍を促している。

直近の4試合では途中出場の選手がアシストorゴールを記録していることもそれを証明しているだろう。

 

序盤戦はオリベルはスタメンを確立していたが、調子を落とせばカラスコが取って代わり、活躍。そんなカラスコも決定的なチャンスを逃せばスタメンからは外れ、他の選手がスタメンに名を連ねる。

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前線についても、シーズン前に描いていたジエゴコスタ、マンジュキッチ、ラウールガルシアのような大型FWとして活躍が期待されていたジャクソンが調子を上げれない一方で局面で仕事をしているコレアやビエットがグリーズマンの相方を務めることも多い。

 

そうした競争を作り出す上でキーになっているのが、試合中のフォーメーション変更だ。

主に、

アトレティコが得意とする4-4-2に加え、新たに確立したのが

4-3-3

コケやサウールのポジションの多様性がこれに不可欠なのは確かだが(ディフェンスラインとオブラクが形成するチームの肝ももちろん不可欠)、オリベルやカラスコをはじめとしたプレースタイルはそのものが戦術となり得る。

そうしたフォーメーションの流動性がチームに新たな可能性を与えている。

 

改めて言うが、こうした競争は選手にとっては大きな刺激となり、トレーニングの質も大きく変わってくる。

この競争がシーズン終了まで続くことがチームにとって善いことと言える一方で、絶対的なエース、レギュラーが現れないことはチームとして"不完全"であるともいえる。

 

特にこの状況においてもなお得点源の確保は必須。フェルナンドトーレスを見ていると、近年のアトレティコにおいてFWがチームの中心を担ってきた彼自身も築きあげた伝統を自ら壊してしまっているようなパフォーマンスだ。目が死んでいるし、シメオネの理念の一つである情熱の伝染とかけ離れている。

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またそれぞれ活躍している、若いプレーヤーも特徴はあるものの、まだまだ潜在能力を持て余している。

 

このまま優勝すれば前回の優勝以上に価値のあることだし、ベテランと若手の融合は将来のアトレティコの成功にもうまくつながっていくはず。そして、そのアトレティコの歴史と同じ時代を生きていることが私は心から幸せだ。

 

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                          @min¡Costa:)